片手鍋

ある精神障碍者による、セルフケアと生活設計のためのブログ

人と会わない平和な暮らし

子供の頃から人間関係は苦痛以外の何物でもありませんでした。

学校に通うのは必然的に地獄の苦しみでしたが、行きたくないと常に思いつつもそこから逃れられませんでした。「友達がいるのは幸せなことだ」「人とつながる人生こそが幸せなのだ」という教条にずっと縛られ続け、したくもない友達付き合いを試みては破綻し、嫌になっても仕方なく他人との付き合いを求め続けてきました。

それがあるとき、学校を卒業してもう何年もたっていましたが、やっとわかったのです。自分は人間関係にさほど喜びを感じない人間であることが。ずっと一人でいることに何の苦痛も感じない人間であることが。

それは大きな喜びでした。自分が統合失調症であると気づいたときと同じくらい、やっと「本当の自分」(って言い方は胡散臭いけれどもこうとしか言いようがない)に出会えた、という感覚です。

それからはずっと機嫌よく、他人に会わない生活を続けています。親とかお医者さんとか薬剤師さんとか美容師さんとか、あと時々行くスターバックスの店員さんとかとは話をしてますが、友達とか恋人とかとは一切縁のない生活です。ああ、平和だなあ、幸せだなあ、とつくづく思います。

このささやかな幸せがずっと続けばいいのにと思いますが、現実はそうはいかないでしょう。親が介護を必要とするようになったら、ほかの人とのかかわりはもっと多くなるでしょうし、本当に自分一人で生活する時がきたとすれば、そのときはやっぱり他人の手を借りることは不可避だと思います。だからといって今のところ何の準備もしていないんですが、「かかわる人をなるべく最低限にしたうえで、それでも他人が介入する生活」に向けて何とかしていくのが課題といえば課題なんでしょうか。