片手鍋

ある精神障碍者による、セルフケアと生活設計のためのブログ

自助グループ?

精神障害関係の文章を読んでいると、自助グループ的なものが、あたかも素晴らしいものであるかのように言われていることがあります。同じ病気/障害を持つ仲間に出会えるとか、生活の様々な事柄に共感したりされたりできる、とか。

わたしはそういうものに参加する気があまりありません。病院のデイケアにも参加していませんし、市の保健所に併設のセンターみたいなもの(正式名称忘れた)もあるのですが、そちらにもかかわっていません。

以前ネットで、どこかの地域でやっている自助グループのメンバーの人が、いかにも幸せそうに「精神障害で孤独な皆さん!」と語り掛け、自分の属しているグループがいかに(自分にとって)良いものであるかを熱弁しているのを読んだことがあります。どう受け取っていいものか困りました。確かにわたしは周囲に同じ障害を持つ人がいない生活をしているけれども、別にそれで悩んだりはしていないし、ひどい孤独感にさいなまれたりしてもいないのです。わたしの障害はわたしのものですし、わたしが自覚的に負っていくものでしかありません。周囲が全員健常者であるとしても、逆に周囲が全員わたしと同種の障害を持った人間だとしても、それは同じことです。

また、アルコールや薬物などの各種依存症や摂食障害などの当事者の場合、自助グループは非常に有効でありうるでしょう。しかし、わたしの障害は統合失調症であり、脳の障害なのです。誰に共感されようとも、誰に出会おうとも、「治る」ということはないのです。比較的穏やかな状態を保つのに必要なのは、薬です。グループではありません。

もっとも、自分と比較的似通った障害の人と比べることで、自分の障害やそれに対する対処法がわかりやすくなる、ということはありえます。そういう意味ではグループの「メリット」はあるのかもしれません。でも、それなら別に、当事者の書いた文章、ブログとかでよくない?という感じもします。実はそのあたりの狙いがあって、わたしも自分のブログを公開にしているのですが、「文章を介して」とか「ネットを介して」とかいうあたりの距離感が、わたしにとってはいちばん楽な感じなのです。

ていうか、自助グループはいくつか経験して、自分で立ち上げたこともあったけれど、そういえば得た物ってそんなになかったよなあ、みたいな実感がどうしても先に立つので。あと、どうしても合わない人というのは出てくるわけで、そういうときの対処というのがわたしは非常に苦手です。そういう意味でもなるべくかかわりたくないなあ、と思ってしまいます。