片手鍋

ある精神障碍者による、セルフケアと生活設計のためのブログ

「病識」とわたくし

まともな医者にかかり始めてある程度きちんとした投薬治療を受けるようになってからも、しばらくは自分が統合失調症であることを知りませんでした。病名を告知されていなかったので、うつ病だとばかり思い込んでいました。

それがあるとき病状が悪化したのをきっかけに、ネットでいろいろ調べて、どうやら自分の病気は統合失調症であるらしい、そう考えるのがいちばんいろいろなことの辻褄が合う、ということに思い至りました。医者に聞いてみたら、しぶしぶという感じではありましたが、やはり「統合失調症の可能性がいちばん高い」と。

なんというか、ものすごい解放感でした。やっとこれまでの自分の苦しみに的確な名前がついた、というのは非常に喜ばしいことでした。もうこれで役立たずないんちきカウンセラーに「自分の内面を語る」ことを強要されなくていいんだ!もうこれ以上、人のいるところに慣れるためといって野球を見に行って凄まじい人ごみの苦しさに耐えなくてもいいんだ!大道芸ワールドカップに行きたいという県外(わたしは静岡在住です)の友達の願いを、人ごみを我慢しないで断ってもいいんだ!自分がしてきた(そしてたいてい破綻してきた)今までの「健常者並み」に振舞うための努力はもう必要ないんだ!

それ以来、おおむねハッピーに生きております。健常者並みを強いられる状況はなるべく回避しています。それでも「健常者とかかわっていく」ためにそれなりの努力が要求される状況はあるわけですが、まあそれはそれとして。