片手鍋

ある精神障碍者による、セルフケアと生活設計のためのブログ

身体合併症(と言うほどのものでもないか)

わたしがいちばん最初に飲み始めたのはルーラン4mgですが、飲み始めたとたんに太りました。

半年くらいで約20kgは太ったんじゃないでしょうか。ジプレキサリスパダールと違って、ルーランは太りにくいといわれているようですが、わたしが飲んだら覿面に太った。困りました。服のサイズがいきなり合わなくなったし。

びっくりして近所のジムに入会を申し込み、プログラムを組んでもらってやっていたんですが、全く痩せずお金だけ結構な額出ていくのでやめました。その後何もしなかったら、年に一度の血液検査で中性脂肪と肝機能に異常が出ました。

当時は煙草も吸っていたので、そのせいもあったんでしょう。朝起きようとしたらいきなりめまいがして起きられなくなくなったことが2回ほどあって、さすがにこのままではまずいのではないかと。

結局お金もかからず、あまり気合いもいれずに続けられる運動として、ウォーキングを始めました。うちから一周4kmのコースを50分かけて歩きます。これで一時は血液検査で異常が出なくなりました。体調もずいぶんよくなったので、これ幸いと続けていますが、最近はやっぱり中性脂肪と肝機能が高く出てしまうのです。年のせいもあるのかもしれません。距離を倍にしてみましたが、やっぱり限界があるようです。金銭的にはウォーキングシューズを約半年に1足のペースで履きつぶすので、ジムに通うほどではないですがそれなりにかかります。あと、痩せません。服のサイズが変わっていないので、太ってはいないのですが、せいぜい現状維持くらい。まあ太っていないだけでも効果はあるってことだしね。夕食当番の日は4kmですが(およそ90分かけて食事を作るのはそれなりに運動になるらしい)、あとの日は8km。雨の日と体調の悪い日はお休み。

薬の話

薬はルーラン8mgとヒルナミン20mgを寝る前に飲んでいます。少ないほうだと思いますが、これで何とか毎日やっていけます。

以前はルーランだけ4mgだったのですが、ある時突然眠れなくなってしまって。3晩眠れない夜が続いて、じっとしていることが難しくなりました。それであわてて薬を増やして、最初はリスパダールとかも試したのですがうまくいかず、結局ヒルナミンにしたらどうにか眠れるようになりました。眠れていれば日々の暮らしは一応大丈夫です。これだけ飲んで眠れなければヒルナミンを頓服で10mg追加します。

ヒルナミンを飲み始めてから変わったことはいくつかあります。まず長文が書けなくなりました。7年ほど前にやっていたブログを最近読み返していたのですが、こんな長文をこんな密度で、しかも3日に一度も更新していたなんて、とものすごくびっくりしました(さすがにそれやってたら1年で調子を崩して鬱になったのですが)。ルーランだけのときはもっとちゃんと働いていた頭が、確実に働かなくなっています。

あと、絶対音感が以前はあったのですが、どうやら駄目になったようです。「ペトルーシュカからの3楽章」のロシアの踊り、あれを最初耳で聴いて、変ニ長調だとばかり思っていたのですが、どこかで譜面を見たらハ長調だったんですね。音楽関係はわりと自信があったのに、何だかかなり揺らいだ感じでした。

そんなこんなで薬によっていろいろ駄目になっているところはあるんですが、これで日々おおむね穏やかに暮らしていけるんだからいいじゃないか、と思います。これ以上減らしたくも増やしたくもありません。薬を増やすとか変えるとかして活動性をアップさせるとかも嫌です。どうしてそんなことしてまで健常者の暮らしに近づけなくてはいけないのか、と思います。

「健常者並み」など二度とごめんです

障害のため日常でできないことはいろいろありますが、だからといって「健常者並みにいろいろなことができるようになりたい」かというと、そうでもありません。

子供の頃から幼稚園も小学校も中学も高校も、「健常者並み」に通ってきました。ものすごい苦痛でした。まず朝ちゃんと早起きするのが苦痛。起きて学校へ遅刻しないで行くのが苦痛。座って集中して授業を受けることが苦痛。友達はいないことの方が多かったです。学校にいるのがあまりに辛いので、うちへ帰ると学校であったことをすぐに忘れました。それなので宿題とかはしょっちゅう忘れてました。それでも学校の成績はなぜかよかったので、かえって誰も障害があると思わなかったのでしょう。みんなと同じようにできないことを叱られ、責められ、いつ死んでもいいような気分で日々生きていました。

大学に進学して、やっぱり朝起きて授業に行くということができず、8年かかってやっとのことで卒業してから思いました。もう二度と「人並み」のことはしたくない。統合失調症だというのがわかったのはそれからまただいぶ後の話です。そのとき思いました。わたしの人生は今まで本当に「健常者並み」を強要されることで成り立ってきたのだなあ、と。もうそんなのは二度と嫌です。健常者並みになんでもできることなど、決して要求されたくはありません。わたしはできないことがいろいろあっていい。

できることできないことあれこれ

一日の大半はベッドでごろごろしているかネットしてるか読書してるかのどれかです。ちょっと動くとすぐに疲れるのです。読書とはいっても集中力はそんなに続きません。

疲れる、というか周囲に注意を払えないというのが正確なところかと思います。だから「うちの近所の決まったコースを1日4㎞ウォーキング」はできるし、健康維持のためにやっているのですが、それプラス家事全般というと駄目な感じです。あと「クラシックのコンサートでトータル約2時間音楽を聴く」も「映画館へ行って、映画を約2時間通して見る」も一応できるんですが、集中がちゃんと持続しているかというとかなり怪しいかも。

この状況でとりわけ厳しいのは「他人に話しかけられること」でしょうか。近所の人とすれ違ってあいさつするとか、うちで食事の支度をしているときに宅急便が来るとか、でもこれらはある程度こちらのやることが決まっているのでまあいいとして。母親の友人知人が突然うちに何か持ってきてくれて、母がいないのでわたしが応対しなくてはならない、みたいなのがいちばん辛いです。きちんとあいさつをしてお礼も言って、相手の世間話的なものにもきちんとリアクションして、みたいなことがどうしてもできません。そもそも雑談が非常に苦手です。別に疲れてなくても苦手ですが、疲れてるときは特に、ないといいな、と思う。

例えば料理の場合

日常的な事柄のうち、料理について。

例えば「米を二合研いで炊飯器に入れる→酒と醤油で味をつけて塩鮭2切れとほぐした舞茸を入れる→ごぼうをささがきにして入れる→炊飯開始→こんにゃくを一口大にちぎって茹でる→その間にトマトを一口大に切る→アボカドの種と皮を取って一口大に切る→こんにゃくをざるに空ける→レモン半分を絞って醤油とわさびと砂糖少々と合わせる→トマトとアボカドとレモン醤油を冷蔵庫へ→こんにゃくをフライパンで油炒めしてめんつゆで味をつけて一味唐辛子を振って器に盛り付ける→キャベツをざく切り、人参を薄切り、葱と生姜をみじん切りにする→玉子を割って溶いてフライパンで炒り卵にする→フライパンを洗って油を熱して葱と生姜を炒め、人参を入れて油が回ったらキャベツを入れる→ガラスープの素を塩こしょうで味をつけて炒り卵を入れて混ぜ、器に盛る→トマトとアボカドとレモン醤油を混ぜて器に盛る→ちょうどこの位の時間にご飯が炊けるので、炊けたら炊飯器から塩鮭を出して骨と皮と取ってほぐして炊飯器に戻す→炊き込みご飯全体をよく混ぜて茶碗に盛る→「鮭とごぼうの炊き込みご飯」と「雷こんにゃく」と「トマトとアボカドのレモンわさび醤油あえ」と「キャベツと卵の炒め物」出来上がり」ということはできるんです。何か一品作って終わりではなく、献立を立てて段取りをある程度考えて、その通りに動くということはそれなりにできる。

ただ、これが毎日の夕飯ではなく、週に3回だからこそできている、というところはあります。もちろん毎日同じものはなく、その都度献立を変えて作るので、まずネタ切れにならないようにしなくてはならないのが大変。それから時間にして1時間から1時間半くらいの間にこれだけのことをするのは、わたしにはやはりそれなりに大変なことなのです。

さらに言えば買い物の手間もあります。午後、昼ごはんを食べ終わってから、冷蔵庫の中にあるものを確かめて献立を立て、必要なものをメモしてから、バスで20分かかるスーパーへ買い物に出かけます。「スーパーに行ってから、その場で安くなっているものを確かめて、そこで献立を立てて買い物をする」ということがわたしにはできません。最初に決めたものがどんなに高くても買います。

午後は夕飯の買い物とウォーキングだけでつぶれるので、ほかのことができるのは自分が食事当番でないときだけです。例えば髪を切りに行くとか、それだけで1時間半は潰れるので、夕飯を作る日はちょっと無理です。午前中の通院と食事当番が重なる日はありますが、バスに乗って病院と薬局へ行って、ごはんを食べて昼過ぎに帰ってきて、それからまた改めてバスに乗って買い物に出かけるので、ちょっと疲れます。一度に済ましてしまうのは、朝出かけるときに冷蔵庫の中身をチェックする余裕がないのでちょっと無理です。

このブログでは初めまして

7年ほど前にはてなダイアリーをやっていたことはあったんですが、戻ってまいりました。

統合失調症の当事者です。このブログでは、自分の出来ること・出来ないことや、生活している上で気づいた事柄などを記述していこうと思います。精神障碍者の生活といっても人それぞれですが、少しでも同じ立場の人の参考になればと思っております。

まず思いついたことから。わたしはひとり暮らしができません。過去に10年ほどしていたことはあったのですが、どうも破綻気味でした。

どういうことかというと、まず部屋の掃除ができません。忘れた頃にざーっとやって、あとは放置。まあ汚部屋住まいの人なんて世間にいくらでもいるとしても、今度は自炊ということができません。というか、料理自体はできるのですが、毎日ちゃんと朝昼晩、いや昼は外食するとしてもせめて朝晩くらい、ちゃんと自分で作って食べる、ということができないのです。そうすると必然的に外食とかコンビニとかになります。金銭的に困ります。さらに言うと、起床・就寝時刻を一定にすることができません。昼夜逆転なんていう生易しいものではなく、あるときは普通に朝起きて夜寝られても、しばらくすると起床時刻が後へずれこんできて、いわゆる昼夜逆転の時期をへて最終的には夕方就寝午前3時起床、みたいな感じになってました。これで困るのがごはんを食べに行けないことです。まだ外が暗いので。

そんなこんなで、全体的に「自分の生活で何か(起床時間でも食事を作ることでも)を決めて、それに従って生活する」ということがいちじるしくできないようです。

今は親と同居ですが、掃除はしなくても何とかなってます(年に一度の大掃除は自分の部屋だけする)。食事は夕飯を週に3回だけ、家族の分も作ってますが、ほかは人任せです。就寝時間は、薬を飲まないと眠れなくなった関係で、一応ちゃんと夜には眠っています。それで生活は何とか回っていますが、親がいなくなった後のことを考えるとちょっと困る。どこからどこまでを自分でやって、ほかの人に頼みたいことは何か、頼める先があるのか、そういったことを考えておかなくてはなりません。